COMPLETE GUIDE

事業継続力強化計画(ジギョケイ)完全ガイド【書き方・認定・活用】

事業継続力強化計画の制度、書き方、単独型・連携型、電子申請、認定後の訓練・見直しを中小企業庁の一次資料に沿って解説します。

事業継続力強化計画、通称ジギョケイは、中小企業者等が行う防災・減災の事前対策を整理し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。中小企業庁は、中小企業が取り組みやすいBCPとして位置づけています。認定は計画を作って終わる制度ではなく、自社のリスク、初動、ヒト、モノ・カネ・情報、平時の推進体制を経営の運用へ落とす入口です。

このガイドでは、BCPとの違い、認定制度の全体像、申請前の準備、各項目の書き方、単独型・連携型、電子申請、認定後の運用、本格BCPへの発展までを八つの章で整理します。制度や申請様式、優遇措置、補助金の公募条件は更新される可能性があるため、中小企業庁と各制度の最新情報を確認してください。トドケデBCPは、お客様ご自身による作成を質問形式で支援します。

読み始める前に、認定を取ることだけを目標にせず、自社が止まったときに優先して守る事業を一つ選んでください。その事業に必要な人、設備、仕入先、資金、情報をたどると、一般的なひな形を自社の内容へ置き換えやすくなります。確認済みの事実、社内で決めること、外部へ確認することを分け、根拠資料の保管場所と担当者を残します。

制度情報と社内計画は更新の速さが異なります。公募、税制、申請様式など外部情報には確認日と参照先を付け、計画本文には自社の役割と対策を置きます。外部制度が更新されたときに計画全体を書き直すのではなく、どの確認表へ反映するかを決めてください。また、作成担当が退職・異動しても止まらないよう、申請アカウント、認定版、修正履歴、訓練記録、次回見直し日を会社の共有場所で管理します。経営者は提出前だけでなく、認定後の対策進捗と未完了項目も定期的に確認し、実行できない対策は理由と代替案を計画へ戻します。確認結果は次回の訓練テーマにも反映してください。

BCPと事業継続力強化計画の違いを理解する

BCPは、災害や事故などで事業が中断する状況を想定し、重要業務を継続または早期に復旧するための方針と行動をまとめた計画です。事業継続力強化計画は、中小企業等経営強化法に基づく認定制度で、中小企業が取り組みやすい防災・減災計画として整理されています。どちらか一方を選んで終わるのではなく、ジギョケイを入口にして自社のBCPを具体化する考え方ができます。

ジギョケイでは、自然災害等のリスクを確認し、初動対応、ヒト、モノ、カネ、情報を守るための事前対策、平時の推進体制などを整理します。項目を埋めることより、リスクと対策のつながりが重要です。例えば水害リスクを挙げた場合は、設備や在庫、データ、職員参集にどのような影響があり、どの対策で軽減するかを結び付けます。

本格的なBCPへ発展させる際は、ジギョケイで整理した内容に、重要業務の優先順位、目標とする復旧、代替拠点、サプライチェーン、顧客対応、危機時の意思決定などを追加します。自社の規模に合わない厚い文書を先に作るのではなく、経営者と現場が読み合わせできる範囲から始め、訓練で不足を見つけます。

計画の作成主体は自社です。経営者だけ、総務だけに任せると、現場の設備や代替手順が抽象的になりやすくなります。経営、現場、総務、経理、情報管理など、重要業務に関係する担当者から事実を集めます。判断が必要な項目は経営者へ戻し、担当者が推測で経営判断を書かないようにします。

トドケデBCPの無料診断では、リスク認識、初動、ヒト、モノ・カネ・情報、実効性を分けて確認します。点数は認定可能性を示すものではなく、作成前に不足している会話や情報を見つけるための目安です。診断後は、低い軸から一つ選び、このガイドの該当章と中小企業庁の手引きを照合してください。

  • ジギョケイは認定制度として整理する
  • BCPへの入口として活用する
  • リスクと対策を一対で記載する
  • 経営と現場の事実を集める

認定制度と活用可能な支援を整理する

事業継続力強化計画は、中小企業者等が作成した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定する制度です。単独型と連携型があり、自社だけで進める対策か、複数事業者が連携して進める対策かで選びます。制度上の対象、申請区分、提出方法は中小企業庁の最新案内で確認します。

中小企業庁は、認定を受けた中小企業者向けに、税制措置、金融支援、補助金の加点などを案内しています。ただし、認定を受ければすべての支援が自動で適用されるわけではありません。各制度には対象者、対象設備、申請時点、手続きなどの条件があるため、利用予定の制度ごとに公募要領や公式案内を確認します。

補助金加点を目的にする場合は、利用予定の補助金が現在も認定を加点対象としているか、どの時点で認定済みである必要があるかを確認します。公募日程は変わるため、過去の締切をサイトへ固定表示しません。トドケデBCPの締切枠は、入力された情報のうち期限当日以降のものだけを表示し、公式公募ページへの確認を促します。

支援措置を社内で検討するときは、認定そのものと、税制、金融、補助金の各手続きを一つにまとめないようにします。制度名、目的、担当、確認した公式ページ、確認日、必要な前提、社内締切を分けます。経理や補助金担当が別にいる場合は、計画の作成状況だけでなく認定時期と各制度の申請条件を共有します。

認定ロゴを活用する場合も、使用条件と最新の案内を確認します。取引先や金融機関へ説明するときは、認定を過大に表現せず、自社がどのリスクへどの対策を進めているかを具体的に伝えます。トドケデBCPは認定や支援措置の適用を保証せず、必要事項を自社で整理するために利用します。

  • 単独型と連携型を確認する
  • 支援措置ごとに適用条件を確認する
  • 補助金公募は最新情報へ照合する
  • 認定と各制度の申請を分けて管理する

申請前に自社の重要業務とリスクを確認する

書き始める前に、自社の事業、拠点、主要な顧客、取引先、設備、情報システムを一覧にします。すべてを同じ重さで守るのではなく、停止した場合の顧客、売上、雇用、地域への影響を考え、優先して継続・復旧する業務を選びます。重要業務の判断は現場担当だけに任せず、経営者が確認します。

次に、所在地のハザード情報を確認します。地震、水害など、自社に関係する災害が、建物、交通、電気・水道・通信、職員参集、仕入れ、配送へどのように影響するかを整理します。ハザードマップを見たという事実だけで終わらず、どの業務が止まり、どの資源が不足するかまで考えます。

事業停止の影響は、売上だけでなく、固定費、違約、顧客離れ、復旧費用、従業員への影響など複数の観点があります。精緻な金額がすぐ出ない場合は、停止した日数によって何が起きるかを段階で整理します。診断の損失額確認は、数字を断定するためではなく、経理と経営が同じ前提で考えるきっかけです。

外部依存も確認します。特定の仕入先、物流会社、クラウド、通信、保守業者などが止まったとき、代替先があるか、切替に必要な情報は何かを整理します。契約書に代替の可否が書かれているか、連絡先が担当者の個人端末だけにないかも確認します。

準備した情報には出典と確認日を添えます。ハザード情報、保険、融資枠、設備台帳、バックアップ、取引先一覧など、更新頻度が異なる資料を同じ日付で扱わないようにします。変更が多い情報は別紙や台帳に置き、計画本文から参照できる形にします。

  • 重要業務を経営者が確認する
  • ハザードから業務影響までつなげる
  • 停止時の影響を段階で整理する
  • 外部依存と代替先を確認する

初動対応とヒトの対策を書く

初動対応では、発災直後に誰が安全確認と意思決定を行うかを決めます。経営者や責任者が連絡不能な場合の代替順位、安否確認の方法、参集判断、情報を集める場所を整理します。全員が出社できる前提にせず、従業員自身と家族の安全を踏まえます。

安否確認は、連絡手段を一つに依存させないようにします。電話、メール、メッセージなどの候補があっても、災害時に実際に利用できるか、連絡先が最新か、集約担当が誰かを訓練で確認します。個人情報を含む名簿は閲覧権限と緊急時の参照方法も決めます。

ヒトの対策では、重要業務を実行できる担当者が限られていないかを確認します。代替要員、多能工化、手順書、外部応援、在宅でできる作業などを整理します。担当者の名前だけでなく、必要な権限、知識、端末、鍵、認証情報を含めて引き継げる状態にします。

出社・参集の判断基準は、災害の種類、交通、建物安全、勤務時間帯で変わります。夜間や休日を想定し、最初に集まれる人数で何を優先するかを話し合います。現場責任者が独断で危険な移動を指示しないよう、安全確認と事業継続の判断を分けます。

計画へ記載した役割は、組織変更や退職で古くなります。役職で書く項目と氏名で管理する別紙を分け、変更時の更新担当を決めます。訓練後に連絡が届かなかった、判断が重なったなどの事実を記録し、役割表と初動手順へ反映します。

  • 意思決定者の代替順位を決める
  • 安否確認手段を複数検討する
  • 重要業務の代替要員と権限を整理する
  • 役割表を組織変更時に更新する

モノ・カネ・情報の対策を書く

モノの対策では、重要設備、在庫、原材料、電力、水、燃料、通信、建物を確認します。固定、移設、防水、予備品、代替設備、外部倉庫などの候補を挙げ、どのリスクへ対応する対策かを結び付けます。設備名だけでなく、停止した場合の重要業務への影響を記載します。

カネの対策では、事業停止中の支出、復旧費用、保険、手元資金、融資相談先などを整理します。利用できる制度や融資枠を確定しているように書かず、現在の契約・確認状況と、災害後に相談する先を分けます。経理担当だけが情報を持たないよう、緊急時に確認できる保管方法を決めます。

情報の対策では、顧客、受発注、会計、製造、設計、人事など、重要業務に必要なデータを特定します。バックアップがあるという回答だけでなく、保存先、頻度、復元担当、認証方法、復元確認の実施状況を整理します。クラウドの利用も通信や認証が使えない場面を想定します。

紙と電子のどちらか一方へ寄せるのではなく、業務ごとに停止時の参照方法を考えます。緊急連絡先や初動手順は停電時にも見られるか、機密情報は持ち出してよいか、復旧後に最新版へ戻せるかを確認します。個人情報や営業秘密の保護を保ちながら、必要な人が参照できる権限を設定します。

対策には担当と確認時期を置きます。備蓄を購入した、バックアップ設定をしたという一度の作業で完了にせず、保管状態、使用期限、復元テスト、契約更新を定期的に確認します。費用の大きい対策は、重要業務への影響と実施可能性を経営会議で検討し、段階的な計画へ落とします。

  • 重要設備と停止影響を結び付ける
  • 資金・保険・相談先を整理する
  • バックアップの復元方法を確認する
  • 対策に担当と確認時期を置く

単独型・連携型を選び、申請内容を整える

単独型は自社の取組を計画としてまとめる形です。連携型は複数の中小企業者等が連携して事業継続力を強化する取組を整理します。単に取引先名を書くのではなく、連携の目的、参加者の役割、共有する資源や情報、平時の推進体制を具体化します。

選択に迷う場合は、自社だけで実施する対策と、他社との合意や共同運用が必要な対策を分けます。代替生産、共同備蓄、相互応援など、連携先の意思決定が必要な取組は、相手の了解や実行可能性を確認します。計画へ記載しただけで合意済みと扱わないようにします。

申請書を整えるときは、計画の目的、リスク、対策、推進体制に矛盾がないかを読みます。別のひな形から文章を貼った結果、自社の業種や拠点と合わない記述が残っていないかを確認します。専門用語を増やすより、担当者が実行内容を説明できる文章にします。

中小企業庁は策定の手引き、制度概要、Q&A、修正依頼の例などを公開しています。申請前に使用している様式と手引きの更新日を確認し、古いファイルを流用しないようにします。不明点は申請先の案内に沿って問い合わせ、確認した内容と回答を記録します。

トドケデBCPで作成するのは、自社で確認するためのたたき台です。自動生成された文章をそのまま申請へ使うのではなく、経営者が内容を確認し、現場の事実、関係先との合意、実施予定を反映します。官公署提出書類の作成代行ではなく、お客様ご自身の情報整理と作成を支援します。

  • 自社対策と連携対策を分ける
  • 連携先との合意状況を確認する
  • リスクと対策の整合を読む
  • 最新の手引きと様式へ照合する

電子申請と社内確認を進める

申請方法は中小企業庁の最新ページで確認します。電子申請に必要なアカウント、申請者情報、添付資料、入力項目を事前に整理し、申請直前に権限や情報不足へ気づかないようにします。具体的な標準処理期間など変動する数値は固定せず、申請時点の公式案内を参照します。

社内では、作成者、経営者、申請担当、認定後の運用担当を分けます。同じ人が兼任する場合も、作成内容の確認と申請操作、認定後の実施を別のチェック項目にします。申請したファイル、申請日時、受付番号、修正依頼、回答、認定結果を一つの案件記録へ残します。

修正依頼が届いた場合は、指摘内容をそのまま記録し、どの箇所をどの根拠で修正したかを版管理します。一つの指摘だけ直して、関連する対策や体制との整合が崩れていないかを再確認します。回答期限や提出方法は受け取った案内に従います。

補助金や他の制度へ認定を活用する場合は、認定結果が得られる前提で申請計画を組まないよう、各制度の条件と日程を確認します。トドケデBCPの締切表示は運用上の補助であり、公募日程の正確性を保証しません。表示がなくても公式サイトを確認し、期限と申請条件を自社で管理します。

申請後は、認定された版を正式版として保管し、作成途中の版と区別します。社内説明では、認定を受けた事実だけでなく、計画に記載した対策、担当、実施時期を共有します。税制や金融などの相談が必要な場合は、対象制度の窓口や適切な専門家へ確認します。

  • 最新の申請案内を確認する
  • 申請権限と必要資料を準備する
  • 修正履歴と受付記録を残す
  • 認定版を正式版として区別する

認定後の訓練・見直しから本格BCPへ発展させる

認定後は、計画に記載した対策を実施し、訓練と見直しへつなげます。安否確認、初動判断、データ復元、代替手順など、短いテーマから実施します。訓練の目的、参加者、条件、確認結果、改善事項、担当を記録し、次回までに何を変えるかを決めます。

訓練では、計画どおり動けたかだけでなく、前提が現実と合っているかを確認します。連絡先が古い、代替担当が権限を持っていない、備蓄場所が分からない、バックアップから復元できないなど、実際に試して初めて分かる課題があります。失敗を隠さず計画の修正材料として扱います。

見直しのきっかけには、組織変更、設備更新、拠点移転、取引先変更、新しい災害情報、訓練結果などがあります。本文、別紙、連絡網、設備台帳で同じ情報が重複している場合は、更新責任を決めます。変更がない場合も確認日と確認者を残します。

本格BCPへ発展させるときは、重要業務ごとに復旧の優先順位、代替方法、必要な資源、判断者、顧客・取引先への連絡を深めます。自社だけでなく、仕入れ、物流、委託先、クラウドなど外部依存も訓練条件へ含めます。必要に応じてトドケデ訓練支援やトドケデ更新管理へつなげます。

最後に、計画の目的を認定書の保管に置かないことが重要です。経営者が対策の進捗を確認し、現場が初動を説明でき、担当交代後も最新版へたどり着ける状態を目指します。トドケデBCPの診断は定期的に再実施し、前回から改善した軸と残った課題を見直し計画へ反映してください。

  • 小さな訓練から実施する
  • 失敗を計画の修正材料にする
  • 変更時に本文と別紙を更新する
  • 重要業務ごとに本格BCPへ深める

一次ソース

自治体や指定権者により様式・運用が異なる事項は、所管窓口の最新案内をご確認ください。

NEXT STEP

自社の状態を確認する

完全ガイドを読んだ後は、無料診断で優先項目を整理できます。